小さな頃からずっと、私には犬がいるのが当たり前でした。
その中でも、「ココ」は特別でした。
私が学生の時に拾った、小さな茶色の雑種犬。

受験や就職、恋愛の失敗……
どんな時も、私が泣くと、ココは黙って寄り添ってくれた。
年を取ったココは、やせ細り、目も見えなくなったけど、私の手のぬくもりだけは忘れずにいました。
「ありがとうね」
最期に、何度も言葉をかけて、私はココを見送りました。
数日後、どうしても涙が止まらず、ふと、夜の空を見上げました。
星が一つ、いつもよりも強く輝いている気がしました。
「きっとココだ」
そう思った瞬間、胸がぎゅっと熱くなり、涙ではなく、感謝の気持ちがあふれてきました。
その夜、ネットのサイトで、同じように空に祈りを捧げた方々の声を読みました。
「私も」「うちの子も」――悲しみは、私だけのものではないと知った時、心が少し軽くなったのです。
私は空へ、ココへの手紙を送りました。
「ありがとう。ずっと忘れないよ。」
そして、空を見上げるたびに、私は思います。
「また、しっぽのぬくもりを感じられる日まで、頑張るね。」


